2015年4月30日木曜日

ゆっくり家を建てるのもいいもんだ

ゆっくり家を建てるのもいいものだ、とおもいます。


私の年齢の事もあるのかもしれません。

いや、たくさん家を作ってきたから、言えることかもしれません。

性格かな?


多くの方は、家を建てるのにすこし急ぎすぎているように思います。


時は金なりと言いますが

時間をかけること自体に価値がないと考える場合は

大切な時間だから急げ、ということかもしれませんが

逆に

時間を楽しむということに価値があるという観点では

ゆっくり楽しむことは、金より貴いという風に考えることもできるのではと思っています。


合理性から見て、一見無駄な時間、怠惰な時間、ゆれる時間、悩む時間

みんな大切な時間だと思いませんか。


家づくりでは

ローンの事もあり、そんな悠長なことは言ってられないとはおもいますが

計画と工事で、3,4か月余裕を持つだけで

楽しいく有意義な家づくりが待っています。


家づくりの準備だけでも早目にしてみませんか?

相談だけでも一度していただけると、少し余裕ができるのになと思います。

架空のプランづくりなんかも結構役立ちます。


住宅メーカーの家づくり日程を基本にして、色々メーカーまわったあと

最後に設計事務所に相談にくる方の場合

日程が、もうすでに無理なことも多いですね。

依頼を受けて、最低で一年で完成が設計事務所の標準なのですが・・・・


住宅メーカーの方には

「時は金なり」なのに、悠長で殿様商売してるんじゃないぜ

だから設計料高いんだろ、俺たちゃ無駄なことはしないぜと言われそうですが、

半年早めに考え始めて、半年余分に楽しめるんだから

それはそれでいいのではないでしょうか。

「時は金以上」ですかね



2015年4月28日火曜日

床の間の本勝手など


以前のブログにも書きましたが

和室の本では

床の間は、南か東向きで

床の間が左側にあって、左から光が来るのが、本勝手です。図の左です。


でも茶室では、

客が主人の右手に座るものを本勝手、右勝手というので

図の右のような配置が一般的ですね。

畳の敷き方も、普通の和室と違って

茶室では貴人畳や道具畳というのがあり

配置が違います。(図右)


文字とは面白いもので、本が付くと何故が間違ってはいけないような

気になりますが、右勝手や左勝手だと

何だ、単なる使い方の問題だとなってしまいます。


和の空間は、伝統なのか、迷信なのか、慣例なのか・・・

色々悩みますが、各時代れれぞれに工夫してその時の合理的な方法を

形にしてきたのですから、

合理的に判断していくのも大切だと思います。

でも、細かなこと決めるときは実際は悩みますね。伝統的にはどうするんだ・・・

笑われないようにしないとねってね。


ちなみに、庭が南、仏壇が西方浄土を拝むとすると西置きで

それだと、それに並んで床の間がある場合は

本勝手、西に床の間、東向きが一番自然なのでしょうかね・・・

といった事も、僕の育った環境からの単なる思いだと思います。


確か、お雛様のお内裏様の位置も、向かって右と左があるらしいですからね。

明治時代に右お内裏様が、西洋風左お内裏様に変わったとか・・・








2015年4月27日月曜日

家を住むためのパタン集・・・室内窓

日本の住宅は、室内では障子やふすまが使われ、開け放して使う事も多いのですが

洋式のドアとなると、ドア以外は壁となるのがほとんど・・・・

通気が欲しい、日本に壁だらけというのも残念ですね。


室内どうしを適度につなぐために、室内窓があるといいでしょう。

暗い廊下や、閉鎖的になりがちなところが開放的になりますね。

吹抜や洗面所、書斎・・・使い方しだいでいろんな効果が出ます。

大きくなくてもいいので使ってみてください。

通気だけなら、ドアの上の欄間もいいですね。

2015年4月24日金曜日

茶室づくり


古い民家に育ち、小さなときから、実家や近くの家づくりの現場を直に見てきました。

大工さんについて回ったり、土壁の土を藁を入れながら足で踏まされたり、

柿渋の塗装を手伝ったり・・

こういった、日本の昔からの家づくりの経験は、同世代の建築家でもあるほうだと思います。


しかし、茶室となると、そのような経験だけでは・・ちょっとね。


それに大学時代にならった、茶室の知識などはあまり役立ちませんでした。

茶事、お茶を飲むということ自体から茶室を見たことがなかったからです。


今回、僕でも何とか係ることができたのは、施主である亭主が、茶事や茶室の知識を

豊富にお持ちで、教えてもいるかただったからです。

それに加え、茶室という物を、茶事という事から考えている方だったからです。


プランニングを始めてから、茶室や和室についての本は再読も含めかなり読みましたが、

生活する住宅に付随する、実践的な茶室や水屋を考える場合に役立つ本は

以外と少ないようです。


今回、生活に付随した形での茶室づくりには次のような本が役立ちました。


■「茶室手作りハンドブック」(岡本浩一+飯島照仁 淡交社)

■「わが家に茶室をつくるには。」(淡交社)


簡明な本ですが、和室、茶室の知識はある程度は必要です。



特に、細かなことを決めるときには、設計、施工、茶道+今日庵の営繕部長

でもあったという根岸さんの

■「自慢できる茶室をつくるために」(根岸照彦 淡交社)

は、とても役立つ本だと思いました。

住宅に付随するような茶室づくりの時はぜひ一読したいですね。



この本の、水屋の章で、建築家の茶室についての意見が書かれていますが

これは茶室だけではなく、住宅の造り方にもつうじるものがあります。

とても共感できる話でした。

次のブログにでも載せましょう。






2015年4月23日木曜日

残念な商品



先日完成した住宅で、施主が使いたいという通風雨戸の商品があったのですが

商品代は先払い、現場に商品が届く日程はのらりくらり

発注して40日(これでも長いですが)の納品予定が実際は85日

とどいた商品は、写真のように電解塗装なのに何か所も補修塗装

商品のビスは半締まりの状態・・・

現場にメーカーを呼び出すと、現品を見もせず塗装を付着した汚れだと・・・

施工までうちでやったらチャンとお渡しできますが・・・

(商品がひどいのに責任施工でごまかす気としか思えない。)


あまりのひどさに、施主も怒り出し、結局、返品で金額返却をおねがいしました。

施主が気に入っていた商品だけに、とても悲しい結果です。


この話と直接は関係はありませんが、少し関連する話で

建材、商品等の施主支給という問題も、こういった問題と関連します。

色々な職種が密接につながりながら現場で施工、調整するような住宅の場合

施工の問題と、建材の問題の区別が、明確にできないのです。


例えば配管で問題が生じた時、つないだ方が悪いのか、つなぐ部分の部品が悪いのか

設置場所に振動や変な負荷はなかったのか・・・

明確にできないことが多いのです。


例えば責任施工の商品であればいいかというと、多くは施工代金の囲い込みで

責任施工と言っているだけで、責任を果たさない会社も結構あります。

ある責任施工の外壁が材料の不備(何年も使っているので僕には明確でした)なのに

工務店が造った下地が悪かった・・・

と言って責任施工を認めるのに2年もかかった例もあります。

取り付け時に、下地チェックは君たちの仕事だろと言いたいですね。


つまり、責任は施工会社一社に任せるというのが

住み手にはもっとも扱いやすいということになります。

一社であれば、責任をなすりつけることはできません。


施主支給というのは、責任の分散となり、結局は

「住み手にとって」あまり好ましくはないのですね。


今回の件では、発注段階で、連絡等の対応が妙におかしいと、実際に工務店が判断した

段階で、商品をやめるという事もできましたが、

施主のお気に入りということで、ちょっと深みにはまってしまいました。


工務店や僕たちは一応プロですから、このような場面は結構経験ずみですが・・・

(だからと言って耐性はいまだにありません)

家をいい形で提供できても、気に入っていた商品がちゃんと

設置できないなんて、住み手にはショックですよね。

それが残念です。








2015年4月22日水曜日

タイルの並べ方


輸入タイルの入荷が遅れていたのですが

ようやく現場にはいりました。引き渡し後の施工でもいいから、何とかつけたいということで

建物引渡し後の、先日施工と相成りました。

現場で、模様のタイルの配置を施主と一緒に決めました。

家づくりで楽しいひとときですね・・・


最近の建材は、輸入品だけでなく、不況ということもあり廃番が結構あります。

契約後、建材等の納品が可能かも頻繁にチェックしないといけませんね・・・

違う現場でも、選んだタイルやハンドルなどがほとんど廃番・・・・

何とか、在庫調べて対応ができましたが

再度材料を選び直すというのは大変なんですよね・・・

メーカーさん、定番商品はなくさないでね。



2015年4月21日火曜日

境界の塀


敷地の境界は重要です。特に都市部では。

境界杭などがちゃんとあるときはいいのですが、無いと隣地の立ち合いが必要に成ります。

特に東京などという地価の高いところでは、少し間違うだけでも致命的。


昔は、境界の塀もよく共有していましたが、

新しく作るときは、絶対に共有は避けるように助言しています。

何故なら、子供の世代になると、塀の改修なども出てきて

とても面倒だからです。

隣地関係は、出来るときに完全に整理しておくというのが

鉄則ですね。



2015年4月20日月曜日

茶室の釘



先週、土曜日は、一日、茶室の釘の取りつけでした。

緊張しますね。施主と一緒に位置を確認しながらの取り付けでした。

前日、大工さんにお願いする予定だったのですが、釘が間に合わず

僕がピンチヒッター・・・

施主は、茶を教えている方ですから、位置等は問題はないのですが、

きれいな壁や回り縁にくぎを取り付けるというのは、お互いに緊張します。


一番の難関は、炉の上にある蛭釘です。炉の中心の真上に取り付けるからです。

前日に、2台のレーザー水準器で天井に位置を出しているのですが

裏千家の場合、鉤先の方向が下座に向きます。

そして、蛭釘の芯と吊芯が1センチほどずれるので注意が必要です。




それから、蛭釘も捻子式と栓差し式があり、天井ふところがないような

現代の住宅では、天井裏に入れないので、ねじ式を選ぶ必要があります。

さらに、竿縁天井のいた強度がないので、補強下地を入れておかなくてはいけません。

結構大変でしょ。

ということで、慎重に錐で穴をあけ、天井板が割れないように何とか取り付けました。


次の難関は、床の間正面中央の花釘(中釘、無双釘)です。


これは、花をかけないとき掛軸の邪魔にならないようにフックが壁に収まるようになっています。

だから太いのです。

こまかな位置が決まっているわけではなく、亭主が決めるので、ひと月ほど前、

亭主が親しい方と、僕も同席させていただき時間をかけて決めました。

その位置を一緒に確認しながら、8ミリほどの穴を、まっさらな床の間正面に

穴をあけるという作業は、胃によくないですね。二部屋の花釘を打った段階で

力尽き・・・一休み・・・・

そのあとは、

掛軸用の軸釘、

床の間奥の柱に45度でつける柳釘、

床柱につける花釘、

床の間天井につける花蛭釘

銅鑼を釣る、蛭釘


緊張のれんぞくでしたね。無事終了しました。



水屋の杓等を釣るためのフックなどは、

少し落ち着いたら、亭主が相談したいとのことで

その頃は、きっと茶事のイメージもできているんでしょうね。





2015年4月16日木曜日

家を住むためのパタン集・・・中庭

中庭は室内空間に広がりをもたらします。

風や光の通り道にもなります。

視線も通りやすく、部屋や家族同士のつながりもいいですね。



面積や工事費が増えたり、限られた敷地では厳しいこともありますが、

狭い敷地ほど有効です。

都市の中でよい環境を得るひとつの方法ですね。

3階建てなんかに中庭というのも、階どうしのコミュニケーションができて

いいですね。

2015年4月15日水曜日

朝の散歩から・・・チューリップの原種


朝の散歩で、きれいな花を見つけました。

近くで、花の世話をしている方に聞いたら

チューリップの原種だとか・・・

華麗で美しい・・・・結構、元気な花らしい。

2015年4月14日火曜日

朝の散歩から・・・


今年の一月末の誕生日から

朝の散歩を続けています。雨の日と、深酒でつらいときはパスですが

順調に続いています。朝の体調は万全です。

その分、夜は眠くなります。お酒によわくなったようなかんじがします???


楽しみは、花や樹木の変化を感じることですね。

中目黒のさくらの変化は十分楽しみました。

で、近くの公園に咲いている花・・・不思議な花ですね。

今度、世話をしている方にきいてみようと思います。


2015年4月13日月曜日

初めての茶事のエピソードが本に・・・



昨年、初めての茶事を経験しましたが

その時のエピソードが、「一億人の茶道講座 心を耕す」

の98Pに載っております。

「歓喜の器」という標題です。


僕は、ここでは日本建築の建築家と紹介されており、

茶室の建築家としての一般的な知識はそれなりにありましたが

茶事については全くの知識ゼロでした。



茶事の亭主は、茶事について多くの本を出し、多くの場所で茶道を指導しておられる方です。

正客はこの本と、「一億人の茶道教養講座」の著者、岡本浩一さんで、

ぼくはそこに同伴しました。


僕が建築家ということで、明治時代の鉋の名工千代鶴の

銘の火箸を、亭主がさりげなく用意していただいたというエピソードです。

千代鶴の火箸という話を機に、場が和やかな雰囲気になりました。

茶事って、こういった気遣いと心の交流が大切なのですね。

僕が千代鶴の知識がなかったら・・・

知の交流はなかった訳ですが・・・



この茶事を通して、茶事あっての茶室ということを知りました。

建築家の多くは形としての茶室あっての茶事と考えているのではないでしょうか。


茶事動線や水屋などが上手く考えられていない茶室は、茶室とは言えないのかも

しれませんね。

今回の設計監理した等々力の家の茶室は、水屋と収納と動線を

日常の住宅という範囲内でいかに上手く、効率考えるかが

課題でした。

この茶事を通して、茶事を通しての茶室が、

ほんの少しですが、わかったように思います。

ほんのすこしね。









2015年4月10日金曜日

家’を’住むためのパタン集・・・玄関の間

住まいのもっともパブリックな部分は居間ではなくて玄関です。

単に入り口と考えるのではなくて、外部とつながる大切な部屋と考えると
外部との交流がスムーズになります。


面積的にも無理でも収納を台にしたり、窓枠をベンチにするといったことで対応できます。
少し大きいと、雨の日も苦になりません。
自転車を直したりするのもいいですね。

匠屋では、玄関土間、縁土間と呼んで、できるかぎり大きくとれるように考えています。

2015年4月9日木曜日

関わった本の紹介

来馬が関わった本(著作や翻訳)の紹介です。

毎年少しずつこつこつと関わっていると

結構なものになりますね。

設計事務所の本職と学校で教えている合間にやっているので

限られた時間でのしごとです。

専門関連ですから、印税は、あまりあてにできないのが残念ですが、

時々、増刷などで、酒代が出るのがうれしいです。

それに、仕事を整理するのにはいいんですよ。

http://www.iegaku.jp/media/tyosaku.html

2015年4月8日水曜日

耐震改修


世間の耐震改修は、工事の費用の問題もあり、思うように進んでいないようです。


戸建ての場合は、個人所有物ですから

補助をしますから改修しなさい、と言い続ければ、

個人の判断で直さなくても、

役所等の責任は果たされていると皆はおもってくれます。

(そういう問題では無いのですが・・・)


一方、マンションやビルなどは、そういう訳にはいきません。

改修まで行かないと、社会的不安という問題が生じます。

ですから、多くの中古マンションの改修問題は、

あまり問題化せず、粛々と改修を進めたいというのが、不動産関係や国の

本音だと思います。

でも、改修費用はかなりのものになり、補助金等ではすべてを賄えませんから

改修が進まない・・・


数年前、緊急輸送道路に面したマンションの、耐震診断のお手伝いをしたのですが

都から診断はほぼ全額予算が出て、診断までは義務にもかかわらず、

理事会は結構、非協力でした。僕らを役人の回し者だと思ったのでしょうか?

だから一般のマンションで、

耐震診断をして、耐震補強まで行くのは結構大変だなと思いました。



遅々として進まない現状で

構造の事を知らないマスコミが、新耐震以前のマンションが○○万戸全部危険

なんて書かれたら、不安が大きくなりますから、注意しないといけません。


しかし、このところ、中古マンション市場が結構流通していきそうなので

この勢いを借りて、耐震診断、耐震補強を強く推進したい

というところで

建築士会会員に、このようなものが送られてきました。

「マンション耐震化マニュアル」

しかし基本的な問題は、技術より

所有者、管理組合、理事会と予算の問題ですね・・・









2015年4月6日月曜日

知識ゼロから学ぶ 建築設備のしくみ


「知識ゼロから学ぶ 建築設備のしくみ」(ナツメ社)(1800円)
来馬輝順、多田和秀、長澤集 著

ついに出版されました。

一般向け、住宅に係る人、住宅を建てようとする人、住宅の維持やリフォームを考えている人

向けの設備の本がなかなか、なかったので、つくってしまいました。

現代は省エネや環境への関心が高い時代

一般の方もある程度の知識を持っていただけると

より良い住宅ができるようになるでしょう。

電気、給排水、空調換気、ガス、省エネ、維持や調査のしかた、見積もりの事が

対話と図解で

やさしく書かれています。



2015年4月2日木曜日

床の間の下


今回の茶室8帖広間の床の間の下は収納となっています。

畳屋さんの話では、色々な茶人の方もやっているとか。

畳表用の敷き板を造り、それに畳表を取り付けます。

床の間の上に人がのるので、それなりの強度は必要です。

2015年4月1日水曜日

下足入れのポスト口


玄関ポーチにポスト口を付け

玄関下足入れ横に郵便物が落ちる仕様

下の写真は、玄関の棚に



なかなか便利なので、クライアントの希望があれば

付けています。